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2007/12/12
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男、独り。とっておきの世界遺産の旅。
Vol. 16 ポーランド・クラクフ歴史地区

17世紀にワルシャワへ遷都されるまで、ポーランド王国の首都として、ポーランド文化の中心地であった古都クラクフ。第二次世界大戦の戦火を免れ、中世の街並みが残されていることから、世界遺産に登録されている。

1km四方内に見所が集まる旧市街

旅をしていて楽しいのは、はじめて訪れた町にもかかわらず、そこがまるで「わが町」のような錯覚に捉われることだと思っている。そう感じることができる条件は、交通手段を使わず、自分の足で自由に歩いて回れること。クラクフはまさにこの条件にぴったりあてはまる町だ。

クラクフの歴史的な見所はわずか1km四方の範囲内に収まっている。旧市街の中心地で200m四方の中央市場広場には、時計塔が目印の旧市庁舎、高さ81mと69mの2つの塔からなるゴシック様式の聖マリア教会、かつて交易所として使われた織物会館がある。広場から石畳の道を歩いていけば、1364 年に創立されたヤギェウォ大学、修道院を改築したポーランド最古の美術館・チャルトリス美術館、町を防御するために造られた円筒状の砦・バルバカンなど見所が点在している。広場から南に10分ほど歩けば、ポーランド王国歴代の王が住んでいたヴァヴェル城、旧王宮、大聖堂もある。

町全体が中世の面影を色濃く残しており、ただ漫然と歩いているだけでも、思わぬ出会いや発見があって楽しい。民族衣装を着た陽気な楽団や、広場で遊ぶ子供たちに出会う。道端で絵画を売っている光景すら、見事な青空美術館に見える。買う気はないのに、みやげ物屋が50軒以上並ぶ織物会館1階を歩いているだけでも楽しい。

地図にとらわれず、時間を気にすることなく、交通機関に縛られず、自分の想いの向くまま自由に歩いていける。歩けば歩くほど、非日常空間に自分がどんどん溶け込んでいく心地良さを存分に味わえる町だ。

シナゴーグが点在するユダヤ人街

クラクフ旧市街中心から少しはずれると、ヨーロッパ的な中世の街並みとは一風変わった場所もある。ヴァヴェル城から町のはずれに向かって5分ほど。かつてヨーロッパ最大のユダヤ人街として栄えたカジミェシュ地区だ。ここにはユダヤ人教会(シナゴーグ)が点在しており、ユダヤ料理レストランなどもある。

思えばクラクフから約60km先に、ユダヤ人をはじめ150万人以上が犠牲になったアウシュヴィッツ強制収容所がある。そんな悲劇が信じられないほど、ユダヤ人街は町の中心地と共存している。

クラクフ近郊には、アウシュヴィッツ強制収容所の他に、もう1つ世界遺産がある。700年以上の歴史を持つ地底岩塩採掘坑のヴィエリチカだ。郊外の世界遺産も合わせると見所に事欠かないクラクフ。クラクフで見た様々な歴史遺産は、今も私の思い出深い情景となって残っている。

TEXT/PHOTO: kasako


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